「食事は気をつけているのにお腹だけ出ている」「体重は変わらないのにウエスト周りが気になる」
そんな“ぽっこりお腹”の悩みを抱える方はとても多いです。
特にデスクワークが中心の生活、出産後、または運動習慣が少ない方に多く見られます。
今回は、ぽっこりお腹の原因を体の仕組みから紐解き、マシンピラティスでどのように改善していくのかを詳しく解説します。
ぽっこりお腹の正体とは?
一言で「ぽっこりお腹」と言っても、原因は一つではありません。主に以下のタイプに分けられます。
① 内臓下垂タイプ
腹筋群が弱くなり、内臓を支える力が低下して下がってしまうタイプ。姿勢の崩れや骨盤の前傾が関係しています。
見た目としては、下腹部だけがぽっこり出ているのが特徴です。
② 反り腰タイプ
腰を反らせる姿勢が癖になり、骨盤が前に傾いた状態。
お腹の前側が常に引き伸ばされたようになり、腹筋が使えず緩んでしまいます。
このタイプは、背中や太ももの前が張っている方にも多く見られます。
③ 猫背タイプ
背中が丸まり、肋骨が下がって呼吸が浅くなるタイプ。
腹圧(お腹の内側の圧力)が低下し、内臓が下に押し出されるようにお腹が前に出ます。
「上半身が疲れやすい」「呼吸が浅い」と感じている方はこのタイプの可能性が高いです。
④ 脂肪蓄積タイプ
食習慣や運動不足により脂肪がついたタイプ。
ただし、この場合でも姿勢や筋肉の使い方の癖が背景にあることがほとんど。
単純な「脂肪太り」として片付けるのはもったいないケースが多いです。
「ぽっこりお腹」と姿勢・呼吸の深い関係
実はお腹の形を決めているのは、脂肪よりも「姿勢」と「呼吸の仕方」です。
お腹を支える“コア”と呼ばれる筋肉群が正しく働いていないと、内臓の位置や呼吸の流れが乱れ、見た目にも機能的にも不安定な状態になります。
コアを構成する4つの筋肉
- 横隔膜(呼吸をコントロールする筋肉)
- 腹横筋(お腹をぐるっとコルセットのように包む筋肉)
- 多裂筋(背骨を支える深層の筋肉)
- 骨盤底筋群(内臓を支える下の筋肉)
この4つの筋肉が連動して働くことで、姿勢が安定し、自然とお腹が引き締まります。
しかし、デスクワークやスマホ姿勢、浅い呼吸が続くとこの連動が崩れ、腹圧が保てずにぽっこりお腹が定着してしまうのです。
マシンピラティスで改善できる理由
マシンピラティスは、ただ「腹筋を鍛える」トレーニングではありません。
体の深層にある筋肉(インナーマッスル)を“正しい順番とタイミング”で使う練習です。
1. リフォーマーで「コアの再教育」
マシンのスプリング(バネ)を使うことで、力を抜く・入れるのコントロールがしやすくなります。
寝た状態や座った状態でもコアに意識を向けられるため、腹横筋や骨盤底筋を無理なく活性化できます。
2. 骨盤と肋骨のバランスを整える
ぽっこりお腹の方は、骨盤が前後どちらかに傾いているケースが多いです。
マシンの動きに合わせて、骨盤・肋骨・背骨の位置を整えることで、自然とコアが働きやすくなります。
3. 呼吸を整え、内側から引き締める
マシンピラティスでは、すべての動きが「呼吸」とセット。
深い呼吸で横隔膜を動かすことで、内臓を支える力が高まり、見た目だけでなく代謝も改善していきます。
よくある誤解:「腹筋運動を頑張ればお腹がへこむ」
「ぽっこりお腹を引き締めるには腹筋を鍛えればいい」
そう思って上体起こしを頑張る方は少なくありません。
しかし実際は、表層の腹直筋ばかりを使いすぎて逆効果になるケースも多いです。
インナーマッスルが働かず、表面だけ固めるように力を入れると、呼吸が浅くなり腹圧が乱れます。
結果として、かえってお腹が出て見えることも。
ピラティスでは「引き締め」ではなく、「内側から支える」感覚を養うことが大切です。
実際のレッスンで行う改善ステップ
Step1:呼吸の再教育
仰向けの状態で横隔膜を動かす呼吸を練習し、腹横筋と骨盤底筋を自然に活性化します。
お腹を凹ませるのではなく、「息を吐くことでお腹が薄くなる」感覚を掴むことが最初の一歩。
Step2:骨盤の安定化
スプリングを使いながら、骨盤のニュートラルポジション(正しい傾き)を探ります。
左右のバランスが整うと、腰の張りや太ももの前の緊張も自然に緩んできます。
Step3:コアと四肢の連動
手足の動きを加えながら、腹圧を保ったまま動く練習をします。
これができるようになると、日常生活の中でも自然にお腹が引き締まります。
Step4:全身の統合
最終的には、全身を一つのユニットとして動かすトレーニングへ。
「歩く」「座る」「立つ」といった日常動作の中でもコアが働くように導きます。
日常生活で意識すべきポイント
- 座るときに背中を丸めない:骨盤を立てて座るだけでも腹圧は高まります。
- 呼吸を止めない:無意識に息を止める癖がある方は要注意。
- お腹を引き込む意識を持つ:お腹を「締める」ではなく、「中に吸い込む」感覚を。
- 長時間同じ姿勢を避ける:30分に一度は立ち上がり、軽く体を動かす習慣を。
ぽっこりお腹が改善すると変わること
- 姿勢が整い、腰痛・肩こりが軽減する
- 呼吸が深くなり、疲れにくい体に
- 内臓が正しい位置に戻り、代謝アップ
- 下腹がすっきりし、見た目の印象が若々しく
見た目の変化だけでなく、「体の内側が軽くなる感覚」を実感される方がほとんどです。
まとめ:お腹を凹ませるより、整える
ぽっこりお腹を解消する鍵は「腹筋を頑張ること」ではなく、「正しく使えるように整えること」。
マシンピラティスは、あなたの体に合わせた負荷とサポートで、深層から体を再教育していきます。
体重や見た目以上に、「呼吸の深さ」「姿勢の安定」「内側の力の入り方」が変わることで、自然とお腹まわりがスッキリしていきます。
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